2010年2月16日火曜日

父の宝物


父が大切にしていた何冊かのスケッチブックに自転車旅行記があります。

大正14年生まれの父が、友人と二人で自転車旅行を計画、「伊勢参り」を決行したのは18歳、高校生の夏だったそうです。 祖母にだけ話して、親には内緒で出発したというのですから、結構無茶したんですね。 群馬からはるばる伊勢まで行こうというのに荷物はこれだけ?
父の話では、お伊勢参りをするのには上着が要るから、荷台に積んでいった、、、とのことです。
しかも、この自転車で?
野宿をしたり、学校やお寺、親戚に泊めてもらったりしながら旅を進めて行ったそうですが、
父はこの時の話をそれは嬉しそうに何度でも話してくれました。

時代が巡ってパソコンやスキャナー、デジカメを手にした父は、この旅行記をコピーし
さらに文章も打ち直して読みやすくするなど、編集作業を楽しんだようでした。
私に1冊くれたのです。  

先日のよく晴れた日曜日、七回忌でした。
真っ白な雪を踏みながらお墓参りをしました。
風邪をひかないようにと、この日を待っていた母は、集まった孫たちに囲まれて嬉しそう、、、

センちゃんと呼ばれていた父は、今ごろは風になって、世界中を巡っているような気がします。
このブログをどこかで見て照れ笑いする父の顔を思います。

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