2010年2月28日日曜日

赤毛のアン

私が子どもの頃から長年にわたって、父の妹、Kちゃんが実家のすぐ近くで「N書店」という本屋さんをやっていました。 (うちは叔父、叔母のことをチャンづけで呼んでいます。)  私は学校や習い事の帰り、母に届け物を頼まれた時など、また大人になってからも時々訪ねては、本の背表紙を眺めながら、Kちゃんとおしゃべりをするのが楽しみでした。いつも私の話を聞いてくれ、優しく「大丈夫!大丈夫!」と言って励ましてくれるのでほっと気持ちが落ち着くのでした。

 「赤毛のアン」に出会ったのは中1の時、
その日、父の弟のSちゃんが一緒にkちゃんのお店に行き、「もうこれくらいのものを読んだほうがいいよ。」と選んでくれたのです。 三笠書房から出版された村岡花子訳 「正続、赤毛のアン」、、、しかし、あの頃の私には馴染めなくて読まずに何年も過ぎてしまいました。
子育てをするようになってふと、思い出して実家から持ってきて読みはじめ、その時は夢中で「炉辺荘のアン」まで読みました。

最近、村岡花子さんのお孫さん、村岡恵理さんの「アンのゆりかご」という著書を見つけ、村岡花子さんの波乱万丈な生涯を知りました。戦火の中、カナダ人女性宣教師、ミス、ショーから「あなたの手で日本の少女たちに紹介して、、、」と託された原書と700枚にも上る翻訳中の原稿用紙、、、それは命がけで守られ、運命的に焼けずに残り、原書を手にしてから13年もの歳月を経て、昭和27年、1952年に初出版されたそうです。 「多くの人のもとへモンゴメリという人の書いた、明日への希望のわく物語を届けたい」、、、花子さんの願いは世に届き、その後数え切れないほど、出版され読者を虜にしました。 アンシリーズのほかにもたくさんの翻訳をされている村岡花子とはどのような人なのか少女時代から関心がありましたが、この本で知る事ができました。

そして、もう1冊、茂木健一郎さんの「赤毛のアンに学ぶ幸福になる方法」に出会いました。まだ全部は読んでいませんが、共感できる部分がたくさんあったり、幸せを見つける方法について教えてくれそうで期待しているところです。
・・・
kちゃんが逝ってしまい、何年か経ちました。私は外出のたび、行きや帰りのひと時を街の「本屋さん」に立ち寄って背表紙を眺めたりすることが習慣になっています。 気持ちが安らぐのです。
あの頃の本屋さんの匂いやkちゃんの姿を求めているのかもしれません。 

今、もう一度「赤毛のアン」を読んでみたくなりました。マリラ、やマシュウの心の奥にもっと触れてみたいと思います。そして古くなったこの本にきれいなカバーをつけてあげようと考え中です。


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